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2010/05/13 (Thu) 信じるんだ、/ 1Q84 BOOK3

5月のはじめの一週間、つまりそのほとんどが連休で、
そのあいだは最寄の図書館も休館日だというのに、
「連休を含めたこの一週間のあいだに予約した本を取りに来て下さい」
 (・・・あとが混んでるんだから、悪いけどそれ以上は待てませんよ)
という、なかば脅迫めいたメッセージを暗に匂わせた電話を、
図書館員の女性から受け取った5月1日、
お昼ごはんもそこそこに、いそいそと図書館へ出かけました。

1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
(2010/04/16)
村上春樹

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眠りながら、意識的に見ている夢のように、
読めば読むほど話の展開に違和感を覚えました。
物語は、たしかに私が望むように展開しているのだけれど、
目が覚めて思い返してみると、
その脈絡がなんだったのか思い出せないのです。
けれども、ふと気がつけばいつのまにか、
ズルズルと1Q84の世界へ引きずり込まれ、
観念と妄想の境界線をたどる心細い道を、
時折現れる著者の声に励まされながら、私はひとり歩いていたのでした。

青豆の孤独と、愛を求める想いは、切実なものとして胸に迫るのですが、
すべては記号によってしるされた、緻密で美しい楽譜のような印象で、
楽譜を読むことはできるけれど、その調べを聴くことが私にはできない。
自分が登場しない無音の夢をみているような、哀しい感触が残りました。

『1Q84』 の世界で数々の扉が提示され、
そこから漏れ出てくるものをやりすごしながら、
なんとかここまで無事に辿り着くことができた。
長かった孤独の世界がやっと終わったことに、
とりあえずは祝杯を挙げたいという気分もあるのですが、
どこか目に見えない場所で、
すでに暗雲が立ち込めているような気配がして胸が塞ぎます。

この世界を受け入れ、守るべきものを掴んだ者だけが開くことのできる
このあたらしい扉の向こうには、いったいなにが待ち受けているのだろう。
光と影の王国を、私は見なければいけないのでしょうか。

それが危険なことだとわかっていても、もっとぎりぎりの境界線まで近づいて、
できることならそこにあるものを受け入れ、呑み込んでしまえたらいいのに。
だけど、この扉を潜り抜けた先で、
いったいなにがはじまるのか想いをめぐらせると、
なにか途方もなく恐ろしい予感がして、胸がつまってしまいます。



再登場した小松に元気がなかったことと、
牛河が死んでしまったことが、とても残念でした。

*イラストは(個人的な)イメージです。
牛河

牛河の空気さなぎに期待しましょう・・・

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